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ギャンブラーの誤謬とは?ギャンブルで判断を見誤る心理をわかりやすく解説!

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ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)とは、サイコロやパチンコなど、毎回ランダムで起こる事象において、
ずっとハズレが続いているなど、特定の結果の発生頻度が高くなっている時に、「そろそろ違う結果になるはず」と、非合理的に誤って考えてしまう心理現象のことです。

ギャンブラーの誤謬とは?

ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)とは、ランダムで起こる事象の発生頻度が特定の期間に高くなっていた時に、そのあとの発生頻度が低くなるに違いない、と非合理的に誤って考えてしまう心理現象のことです。

本来、パチンコやコイントス、サイコロなど、試行が毎回独立していて、結果も毎回ランダムである事象に、「次は絶対に○がでる」ということはありません。
しかし、試行を繰り返し結果が偏っていると、「過去の結果が次の試行に影響を与える」という推論を立ててしまうようになるのです。

ギャンブラーの誤謬を体験

ギャンブラーの誤謬を簡単に体験できる例があります。
以下の例を、実際に自分が賭けをしていると考えながら読んでみてください。

コイントスの例

コイントス合計5回します。

コインの表が出る確率、コインの裏が出る確率は50%ずつです。
しかし、今のところ4回連続でがでています。

さて、5回目のコイントスでは、表と裏のどちらが出るでしょうか。
あなただったら表と裏、どちらに賭けますか?

さて、確率は変わらなくても、なんとなく裏に賭けた人は多いのではないでしょうか。

「5回連続で同じ結果が出るわけがない」
「そろそろ裏が出そう」、
このような心理こそが、「ギャンブラーの誤謬」です。

ランダムで起こる事象が、連続して同じ結果を出していると、違和感を感じて判断を見誤ってしまう心理です。
コイントスやパチンコなど、完全ランダムでギャンブル性が高い場面で発生します。

冷静に確率を考えると?

5回コイントスをした際の結果のパターンは、全部で32パターンになります。
コイントスをして4回連続で表が出て、5回目にも表が来る確率は1/32、約3%です。

非常に低い確率に見えてきます。しかし、よく考えてみてください。

4回連続で表が出て、5回目に裏が来る確率も約3%です。

つまり、全体でみても、表が出る確率も裏が出る確率は50%ずつ、変わらないのです。

大数の法則とは?確率が収束する?

確率には、「大数の法則」という法則があります。
試行の回数を増やしていくと、結果が理論上の確率に収束していく、というものです。

例えば、コイントスは、表が出る確率は50%、裏が出る確率が50%です。

しかし、先ほどの例のように5回、10回程度であれば、連続で表が出るなど、確率が偏ったように見えることがあります。
コイントスの理論上の確立が50%だからと言って、数回のコイントスの結果が、表と裏きれいに50%ずつでる、ということはありません。

ただし、1000回、10000回と何度もコイントスを繰り返すと、表と裏の比率が50%ずつに近づいていきます。
これが「大数の法則」です。

数回程度では確率は収束しない

この大数の法則は、それこそ無限に近いような試行回数のもとで、確率が収束されるという法則です。

そのため、5回、10回くらいの試行回数では、確率が偏ることも珍しくありません。

人間は、ランダムな現象に対して根拠がないにも関わらず、「そろそろ」「次こそは」と主観的な判断をしてしまいがちです。
こうしたギャンブラーの誤謬を防ぐために、常に客観的に物事を見て、冷静に数字や状況を合理的に判断していく必要があるのです。

ギャンブラーの誤謬の誤謬とは?

さて、これまでは、理論値を求めて客観的な判断ができなくなるギャンブラーの誤謬についてみていきました。
ただし、ギャンブラーの誤謬を気にしすぎた結果、「ギャンブラーの誤謬の誤謬」に陥ってしまうこともあります。

例えば、コイントスゲームを50回続けて、50回とも表だったとしましょう。
次に来るのは表と裏、どちらでしょうか?

先ほどのギャンブラーの誤謬を意識してみると、
「確率は一定。表と裏どちらが出るかそれぞれ50%の確率だな」
という考えになります。

現実の問題を冷静に考える

しかし、実際のコイントスゲームで50回も同じ面がでてくるというのは不自然ではないでしょうか?

大数の法則で確率が収束するほどの試行回数ではありませんが、50回も投げて表しか出ないというのも確率が偏りすぎています。

  • 表が出やすいコインである
  • コイントスをしている人がズルをしている
  • 投げ方に癖がある

など、確率以外の他の要因が結果に影響していないか考える必要があります。

このように、株や賭け事において、ギャンブラーの誤謬を意識するあまり、視野が狭くなってしまうことをギャンブラーの誤謬の誤謬といいます。
理論や法則を絶対視しすぎることで、本来の問題点が見えなくなってしまうのです。

まとめ

自分が公平で正しいと思っている人ほど、主観的に不合理な選択をし、判断ミスをしてしまいます。

特に、かけ事や投資など、ランダムな事象に対して、主観を交えることは大変危険です。

ギャンブラーの誤謬を意識することで、客観的で冷静な視点をもって物事に挑めるようになるかもしれません。