「ゲシュタルト崩壊」をわかりやすく解説!【文字が分からなくなるあの現象!】
「ゲシュタルト崩壊」とは、ひとかたまりのものがバラバラに知覚されてしまう現象を表した心理学の用語です。
文字をずっと見ていたり、繰り返し書いたりすると「この文字はこれであっているのか?」と文字のパーツを正しく認識できなくなり、文字に違和感を覚えてしまう現象のことを指します。
「ゲシュタルト崩壊」とは、ひとかたまりのものが、バラバラに知覚されてしまう現象を表した心理学の用語です。
この記事では、ゲシュタルト崩壊についてわかりやすく解説し、ゲシュタルト崩壊が起こりやすい文字などを紹介していきます。
記事の目次
ゲシュタルト崩壊はどんな現象?
例えば、小学生の頃に漢字の書き取りをよくやりましたよね?
何度も何度も同じ文字をノートに書いていると、
「この漢字、なんて読むんだっけ?どんな意味だっけ?」
といった不思議な感覚になったことはありませんか?
この感覚こそが、ゲシュタルト崩壊です。
頭の中で文字のパーツがバラバラになり、「ひとつの文字」として認識できなくなってしまう現象のことを指します。
ゲシュタルト崩壊は、漢字の書き取りの時のように、同じ文字をずっと見続けることによって起こりやすくなります。
決して、目や精神に異常が起こっているわけではなく、健康な人にもみられる現象です。
ゲシュタルト崩壊の語源は?
ゲシュタルト崩壊の「ゲシュタルト(gestalt)」とは、ドイツ語で「形態」や「全体的な姿」などを意味する言葉です。
つまり、ゲシュタルト崩壊とは、ひとまとまりの「形態(=ゲシュタルト)」が、バラバラで意味を持たないパーツに分解されてしまう(=崩壊する)現象を表しています。
ゲシュタルト崩壊の原因は?起きたらどうする?
ゲシュタルト崩壊の原因は、まだ解明されていない部分が多くあります。
しかし、原因の一つとして瞬間的に脳の処理機能が低下することによって起こると考えられています。
ある文字を見たとき、脳が「特定の文字」として処理します。
しかし、ずっと同じ文字を見ていると、脳が瞬間的に「これは文字ではないのでは?」と、別の処理をしようとしてしまいます。
その結果、文字を構成する線がまとまりの無い「パーツの集まり」に見え、文字に対して違和感を覚えるゲシュタルト崩壊が発生すると考えられいます。
もちろん、ゲシュタルト崩壊は一時的なもので、脳の病気というわけでもありません。
ゲシュタルト崩壊が起きたら、少し目を閉じたり、別のものを見るようにしてみてください。
その文字を見ないようにして時間を置けば、、わけが分からなくなっていた「パーツの集まり」が、「文字」としてきちんと認識できるようになるはずです。
ゲシュタルト崩壊を起こしやすい文字の種類とは?
ゲシュタルト崩壊は、誰でも・どんな文字でも起こりうる現象です。
しかし、よりゲシュタルト崩壊起こしやすい傾向がある文字も存在します。
それでは、どんな文字があるか詳しく見ていきましょう。
さまざまなパーツから構成されている文字
例えば、「借」は「人(人偏)」と「昔」が組み合わさっています。
一度、「昔」のほうに意識を向けると、「人」と「昔」を組み合わせるのに違和感が生じませんか?
このように、漢字などの複数の文字や形が組み合わさった文字は、ゲシュタルト崩壊が起きやすいです。
複数の線が交差する文字
複雑な文字でなくても、パーツの線がバランス良く組み合わさることで構成される文字は、少しバランスに違和感があると、ゲシュタルト崩壊が起きやすくなります。
例えば、「女」という漢字はパーツの線は少ないですが、バランスが悪いと違和感を覚えやすいですよね。
ひらがなの「あ」など、円に近い形で構成された文字は特にゲシュタルト崩壊が起きやすいでしょう。
文字のパーツ間に空間が空いている字
文字を構成するパーツ同士の空間が空いていると、「ひとまとまりの文字」として認識しづらくなります。
カタカナの「ル」などは、少し間が広くなると、「ノ」と「レ」に見えてしまい、書き続けていとゲシュタルト崩壊が起きやすいです。
ゲシュタルト崩壊が起きにくい文字は?
一方、漢字などに比べてシンプルな線で構成されるアルファベットは、ゲシュタルト崩壊が起こりにくいタイプの文字です。
とはいえ、ゲシュタルト崩壊を起こす文字や、起こしやすさは、人によってさまざまです。
画数の少ない簡単な文字や、アルファベットであれば絶対にゲシュタルト崩壊が起きない、というわけではありません。
また、そもそもゲシュタルト崩壊が起きない・起きにくいという人もいます。
個人差が激しい現象なので、あまり深刻にならずにとらえることが大切かもしれません。