「バーナム効果」をわかりやすく解説!占いを信じる心理現象?

バーナム効果とは
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バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような内容でも、「自分のことだ!」と特別自分に当てはまっているように感じてしまう心理現象のことです 。
血液型診断や星座占いなど、占いや性格診断などの場面でよく起こる現象ですが、ビジネスでも商品の信頼度アップのために使用されることがあります。

バーナム効果とは?

バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような内容でも、占いや診断の結果として提示されると、「自分に当てはまる、この占いは当たっている」と思ってしまう現象のことです。

例えば、血液型診断は分類が4種類しかない上に、かなり大雑把な診断ですが、日本では血液診断を信じている人は多くいます。
これは、バーナム効果によって「自分に当てはまっている」と感じているのです。

アメリカの心理学者であるポール・エバレット・ミールが、1956年に自らの著書で名付けた現象とされています。
名前の由来は、1880年代でサーカスの興行で人気を博したフィニアス・テイラー・バーナムの「we’ve got something for everyone(私たちは誰にでも当てはまる要素がある)」という言葉がもとになっています。

バーナム効果の例

例えば「早寝早起きを心がけると、健康にいい。」と言われたら、「当たり前だ」と思いますよね。

しかし、自分で引いたおみくじに「今年のあなたは早寝早起きを心がけると、健康にいい。」書かれていたとしたら、少し印象が変わりませんか?

誰にでも当てはまる普遍的なこと事でも、自分に関わる条件を元にいわれると、「その通りだ」と感じやすくなってしまいます。
これこそがバーナム効果です。

フォアラーの実験

バーナム効果は、「フォアラー効果」と言われることもあります。
人が占いにハマる理由を研究してたアメリカの心理学者であるバートラム・フォアの名前から来ています。

その名称のもとにもなっているのが、バートラム・フォアが1948年に行った以下の実験です。

バートラム・フォアによる性格診断テストの実験
バーナム効果
フォアは、学生たちに性格診断テストを受けさせました。
その後、テストの回答に基づいた分析結果を一人一人に個別に返却します。

学生たちは、自分の性格診断テストの結果を見て、どれくらい正確だと感じたか、「0点(まったく当てはまらない)」から「5点(非常に当てはまる)」の6段階で評価しました。

結果、学生たちによる評価の平均点は「4.26」でした。
学生たちは性格診断テストを、かなり正確なものだと感じたということです。

バーナム効果2
ところが、性格診断テストの結果は、実は全員に全く同じ内容の文章が書かれていたのです。その文章も、フォアが新聞の星占いから抜き出して書いただけの適当な内容でした。
文章の一部は、以下のようなものです。

  • あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っているものの、自己を批判する傾向にあります。
  • あなたは悩みがあっても、それを克服することができます。
  • あなたは生かしきれていない才能をかなり持っています。
  • 外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。

よく読むと何も決定的なことを言っていない内容で、個人の性格診断テストの結果としては曖昧な文章ですよね。

それでも、学生たちは性格診断テストの結果を見て「自分に当てはまっている」と感じたのです。

実験で発生したバーナム効果

この実験のように、「性格診断テスト」という準備行為を経て、「個別の」形式で結果をいわれると、バーナム効果が発生します。

「自分自身のこと」だと思わせるための準備行為に対して、「自分自身だけの結果」と思わせるよう結果を渡すことで、ありきたりな内容でも「自分の内面をズバリ言い当てている!」と感じてしまうのです。

バーナム効果が起こりやすい条件

ただ単純に誰にでも当てはまることを伝えただけでは、なかなか「自分のことだ」とは感じません。
バーナム効果を発生させるには、特定の状況下で相手から信頼と親近感を感じさせることが重要です。

バーナム効果が起こりやすい状況を作るには、以下のような条件があります。

自分だけの結果だと思わせる
ただの12星座占いよりも、「12星座+干支+血液型」を組み合わせた占いの方が、当たってそうな気がしませんか?
診断テストなど、自分で選ぶ形式も「自分で選んだから自分に適した結果だ」と感じやすくなります。
評価者の権威性が高い
権威性の高い人からの評価だと思わせることも、バーナム効果の重要なポイントです。
「有名な大学教授が提唱している」「テレビで話題の占い師の占い」など、肩書があると信頼が高まります。
前向きな内容である
人間はだれしも、自分に対するネガティブな意見よりポジティブな意見のほうが聞きたいものです。
そのため、「高く評価してくれる」「悩みを理解してもらえる」と感じるような表現をすることが大切です。
解釈の幅が広い言葉を使う
「実は几帳面な一面がある」「夜に気分が落ち込むことがある」など、その人の気分でどんな風にでも捉えられるような言い回しは、バーナム効果が表れやすくなります。

確証バイアスでさらに強く信じるように

一度バーナム効果が発生して占いや性格診断の結果を信じると、「確証バイアス」が起こりやすくなります。

バイアスとは、無意識に偏った情報に注目してしまう先入観や思い込みのことです。

「こうに違いない!」と思うと確証バイアスが起こり、思い込んだ内容を肯定するような情報ばかり注目してしまいます。
バーナム効果により占いや診断を過信することで、「当たっている部分」の情報にばかり目が行くようになるのです。

そのため、自分に当てはまる部分を積極的に探してしまい、たとえ自分に当てはまらない部分が多い占いであっても、強く信じるようになってしまいます。

バーナム効果は正しく使おう

バーナム効果は、相手を信頼させて騙す詐欺行為に悪用されるケースもありますが、商品を売り込みたい人や、人間関係をスムーズに築きたい人などにとっても、強力な武器になります。

また、占いや性格診断などがいくら当たっていると感じても、バーナム効果が強く働いている可能性があります。
自分自身がバーナム効果を起こして、結果を過信している可能性に気が付くことも大切です。